同志社大学の全学共通教養教育科目「DDASH(同志社データサイエンス・AI教育プログラム)」は、データサイエンス・AIリテラシーを 文理問わず全14学部 の学生に身につけさせることを目的とした、2022年度開始の全学的教育プログラムです。
しかし、授業で学んだ知識を「実際に使いこなす」経験の場が不足していました。DDASH Hacks は、そのギャップを埋めるために生まれた全学型ハッカソン。授業で学んだ分析・開発のスキルを、地域・企業・社会の課題解決という実践の場で試す——「授業 → 実践 → 社会」をつなぐ独自の教育モデルです。

主催者プロフィール|同志社大学 全学共通教養教育センター(DDASH)
DDASH(同志社データサイエンス・AI教育プログラム)は、リテラシーレベル(DDASH-L)から応用基礎レベル、副専攻と3つのレベルに分かれ、段階的に学べるのが特徴。外部講師による実践的なデータ活用事例についても扱い、データサイエンス・AIを体系的かつ実践的に学べる プログラムです。
DDASH Hacks は、この年間プログラムの 最終アウトプット として位置づけられた全学型ハッカソン。
DDASHが目指したこと
特に重視されたのは以下の3点です。
- 文理横断的な参加: データサイエンスは文系・理系どちらにも関係するスキルであることを体感させる
- 初心者でも参加できる設計: プログラミング未経験者でも「データを使って考える」経験ができる
- 実際の社会課題との接続: 企業スポンサーを交えた、リアリティのあるテーマ設定
直面していた課題
3日間・文理混合・約100名という大規模な構成。導入前は、運営現場に複数の課題が積み重なっていました。
- 全学型イベントの運営複雑さ: 文理を問わず100名規模を、3日間・28チームで同時進行させる運営負荷
- 初心者率の高さ: 参加者の約60%が初心者。技術レベル差のある中でも全員が学びを得られる設計が必要
- 正課外教育としての質の担保: 単発イベントではなく「教育プログラム」の一部として、学習効果の可視化が求められる
- 運営リソースの制約: 大学職員・学生運営が限られた時間で、募集〜審査〜アンケート集計まで回す必要
- 情報共有の分散: 従来はメール・スプレッドシート・Teams・フォームが混在し、情報がサイロ化

今回のハッカソンで重視したこと
事前準備|初心者が置いていかれない仕組み
データ分析経験がない参加者も多いなか、参加前に データ分析の基礎記事(Python環境構築 / pandas / Streamlit など)を複数配信。ハッカソン本番では「環境構築で詰まって開発できない」という事態を防ぎ、アイデアと実装に集中できる状態を整えました。
文理混合チーム編成
参加者のプログラミング経験・データ分析経験を事前アンケートで把握し、スキルバランスを考慮したチーム編成を実施。単一学部チームは17、混合チームは11。文系学生の参加比率は約44% に達し、文理比率の目標を達成しました。
3トラック制の審査設計
「データサイエンス」「データエンジニアリング」「AI活用」の3トラックで審査し、参加者それぞれの強みを活かせる評価軸を設定。プログラミングが得意でなくても、データの読み方や課題設定の視点で評価される 仕組みを作りました。
CraftStadium Organize の提供内容
企画・進行の一元管理
募集・申込・チーム編成・審査の全工程を Organize 上で完結。Python/Git/pandas 等の事前学習資料を参加確定者向けに自動配信し、進行台本とスコアシートを連携することで、審査結果を即日集計・発表 することができました。
学びの環境づくり
初心者向けに アイデアソン → 開発 → 発表 の段階設計を導入。メンター・審査員のコメントを自動集約し、参加者フィードバックを翌日配信。時間管理がシームレスに進み、全セッションが予定より20分早く完了しました。
結果分析と教育効果の可視化
アンケート集計を自動化し、満足度・学習意欲・チーム開発経験を即時分析。次年度改善に活かせるデータとして蓄積 されています。
実施内容
プログラム構成
| フェーズ | 内容 |
|---|---|
| 事前学習期 | Python/pandas/Git 等の自己学習資料を配信 |
| Day1 | キックオフ、チームビルディング、アイデアソン |
| Day2 | 本開発、メンタリング、中間発表 |
| Day3 | 最終開発、成果発表、審査、表彰式 |
特徴的な取り組み
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文理混合チーム編成: データ分析は文系学生、開発は情報系学生など、相互補完を促す設計
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食事提供(アマーク): 満足度4.42/5.0 と高評価の、3日間を走り切るための食環境
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メンターサポート: 初心者が安心して挑戦できる伴走体制
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スポンサーグッズ提供: スポンサー企業の皆様からいただいたノベルティを参加者に配布

成果|数字と学びの両面で実現したインパクト
定量的成果
エントリー数 109名(目標60名の182%)、参加者数98名と目標を大幅に超え、28チームが3日間の開発に取り組みました。
アンケートハイライト(回収66件)
- 運営対応: 4.39 / 5.0
- 食事(アマーク提供): 4.42 / 5.0
- 学習意欲向上: 4.21 / 5.0
- チーム開発での新しい学び: 4.18 / 5.0
- 継続参加意向(次回参加したい・内容次第で参加したい合計): 約95%
総合満足度は3.95/5.0。目標4.5には届きませんでしたが、得られた学びと次年度の改善ポイントが明確になる、解像度の高いフィードバックが集まりました。
質的成果
- 挑戦への心理的安全性: 「初めての挑戦ばかりだったが、運営が整っていて集中できた」
- 学部横断の協働体験: 「文系でも意見が活かせた」「他学部の視点が刺激的だった」
- 次への接続: 約95%が「別テーマでも挑戦したい/技術を磨きたい」と回答
「初めての挑戦ばかりで非常に楽しく充実した3日間となりました!」(経済学部 3年)
「データ分析については完全に初心者だったが、他チームの素晴らしい発表を見て問題解決の切り口や分析の方法を学べた」(理工学部 1年)
「実務経験を身につける非常に良い機会となりました。またご縁があれば参加したいと思います」(生命医科学研究科 大学院)
上位チーム成果物(抜粋)
- Grand Award: トモシゴト本丸
- Excellence Award: チームはらたい / Do'er
- Data Science Award / Data Engineering Award / Artificial Intelligence Award: 各トラックで受賞
- 企業賞(NTT西日本・paiza・ストライク): 各企業が選定

CraftStadium Organize 導入の効果(Before/After)
運営負担を約半減しながら、教育の質を同時に引き上げる という二重の成果を実現しました。詳細は本ページの「Before/After 表」をご覧ください。
今後の展望
DDASH Hacks の今後の展望としては、単発のハッカソンイベントにとどまらず、DDASH(同志社データサイエンス・AI教育プログラム)との接続を強化し、教育と実践を有機的に結びつける中核的な取組 へと発展させていくことが重要です。
リテラシーレベルを学ぶDDASH-Lから発展的な学修へと進む過程において、DDASH Hacks を実践の場として位置づけることで、学習内容を実社会の課題解決に応用する機会を提供し、学びの定着と高度化を図ることが期待されます。
さらに、同志社大学生が集うオンラインコミュニティ「DIGコミュニティ」とより連携することで、ハッカソン参加者同士や修了者との 継続的な交流・協働の場 を形成し、イベント後もプロジェクトの深化や新たな挑戦につながるエコシステムを構築していきます。
成功要因
- 正課外教育としての明確なゴール設定: 単なるイベントではなく「学習成果」を定義できていた
- 運営の仕組み化: CraftStadium Organize や運営サポートによって、担当者が1名でも100名規模を捌ける土台を構築
- 参加者体験への投資: 食事・メンター・スケジュール管理という、学習に集中できる環境
- 次への接続設計: 終わった後に続く年間コミュニティ構想
大学でも「運営から教育を設計する時代」へ
DDASH Hacks 2025 は 「学び × データ × 実践」 をつなぐ新しい学内プロジェクトとして成功を収めました。その実現を支えたのが、CraftStadium Organize による 運営の仕組み化 です。
企画・募集・進行・審査・分析——これらを1つの仕組みで回せること。それが、教育現場が実践型イベントを継続的に実行できる条件です。
CraftStadium Organize は、ハッカソン・アイデアソンを企画から運営・分析まで一貫して設計できる 教育支援プラットフォーム として、今後も大学教育の実践化を支えていきます。
※本記事に掲載された内容は、DDASH Hacks 2025 実施時点のものであり、担当者の見解に基づくものです。

